2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

文学批評 吉田修一『悪人』論 ――ドストエフスキー『罪と罰』から欠落したもの

吉田修一『悪人』に、ドストエフスキー『罪と罰』の殺人場面の象徴である斜めからの夕日の光を照らす。と、そこには車のライトに照らし出された峠の絞殺と、パトカーの赤いライトに照らし出された灯台の未遂現場しかない。 両者の差異を見ることで、『悪人』…