2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧
映画批評 溝口健二『近松物語』論ノート <「『近松物語』の物語」> ・溝口健二監督『近松物語』(1954)の脚本家、依田義賢の『依田義賢 人とシナリオ』「シナリオ 近松物語」は、溝口健二(1898~1956)の人間的な気性、理不尽さと、監督が求…
成瀬巳喜男『浮雲』論 ――デュラス/林芙美子/成瀬巳喜男 《この作品は、ある時代の私の現象でもあるのだ。よいものか、悪いものかは、読者がきめてくれるものであろうが、私は、この**のあと、非常に疲れた。めまぐるしく私の周囲の速度は早い。こんな地…
小津安二郎『彼岸花』論 <里見弴/小津安二郎> 映画『彼岸花』に白と赤の文字で「原作里見弴」と流れる。だが一緒に湯ヶ原に泊り込んで、テーマと人物設定を共通項に小津と相棒野田高梧が脚本を、里見が小説を書きあげたという。『文藝春秋』昭和三十三年…